情報発信

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2023.08.21   情報発信

職場におけるメンタルヘルスケアのやり方

はじめに

厚生労働省が公表した2022年度の「過労死等の労災補償状況」によれば、精神障害に関する労災補償の事例が増加している傾向がうかがえます。請求件数は2,683件で、前年度比で337件の増加となっています。支給決定された件数も710件と、前年度比で81件の増加となりました。これにより、メンタルヘルスケアの重要性がますます高まるとみられます。今後、働き方の多様化や労働市場の変化により、職場におけるメンタルヘルスへの配慮が一層必要とされるでしょう。

 

メンタルヘルスケアをしなければならない根拠

労働安全衛生法において、労働者の健康と安全を考慮する大切な義務、「安全配慮義務」が規定されています。さらに、2015年の法改正により、常時50人以上の従業員を抱える企業は、年に1回以上のストレスチェックの実施が義務とされました。労働環境を整え、働く方々の心身の健康に細やかな気遣いをすることが求められています。

 

職場のメンタルヘルスケアの種類

職場で大切なメンタルヘルスケアの方法として、以下の4つの種類が考えられています。

【1セルフケア】

労働者の方々には、自身でメンタルヘルスケアを行う手段を身につけていただくことが大切です。ストレスに関する知識を深め、自分自身でストレスへのアプローチを学び、対処することをお勧めします。たとえば、睡眠や食事などの状況を基にして、自身のストレスの度合いを見極めることや、適切な運動を通じてリフレッシュすることなどが挙げられます。自分自身のケア方法を見つけることが、健康なメンタルの保持につながります。

【2ラインによるケア】

管理者が部下の皆さんへのケアを行うことを「ラインによるケア」と呼びます。仕事の負担が過剰でないか、外見や表情に変化はないかを注意深く見守ります。必要な場合は声をかけたり面談を行ったりし、人事異動や労働条件の変更などのサポートを提供していくこともあります。部下の皆さんの健康や幸福を大切に考えながら、サポートしていくことが大切です。

【3事業場内産業保健スタッフ等によるケア】

産業医、衛生管理者、保健師などの職場内産業保健スタッフが行うケアを指します。労働者や管理監督者に「セルフケア」や「ラインによるケア」が効果的に実践されるよう、支援を行います。みなさまが健康で心地よい職場環境を享受できるよう、尽力してまいります。

【4事業場外資源によるケア】

従業員支援プログラム(EAP)や、労災病院・診療所、地域の産業保健指導センター、都道府県の産業保健センターなど、外部機関のお手伝いをお借りすることがあります。外部からの情報提供や助言を受けながら、大切なメンタルヘルスケアを行っています。皆さまが健やかに過ごせるよう、支援を受けながら進めていくことが大切です。

 

注目すべきポイント

メンタルヘルスケアについて、トラブルを未然に防ぐために大切なポイントがあります。以下にご紹介します。

1身だしなみ変化・遅刻や早退・リアクションに変化はないか

髪形が乱れていたり、髭の整えが行き届いていなかったり、服装が乱れているなどの身だしなみに関することは、実はメンタルヘルスの調子を知るヒントとなることがあります。また、頻繁な遅刻や早退、不自然な受け答えなども、注意が必要なサインと言えるでしょう。

2残業は問題ない範囲か

「36協定」に規定されている残業の限度を超えて実際に残業していないか、業務によるストレスが過度でないか、これらに注意を払ってみましょう。

3ハラスメント対策をしているか

職場におけるメンタルヘルスの不調を引き起こす一因として、人間関係が挙げられます。過度な指導やいじめ(パワハラ)、性的な嫌がらせ(セクハラ)など、これらの問題が存在していないか、またハラスメントに対する適切な対応がなされているかに目を向けることが大切です。

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