久保社労士法人ニュース

健康診断書はプライバシーの侵害か?

2012.04.13

様子がおかしいので健康診断書の提出を命じたら、プライバシーの侵害だといきなり怒り出した。提出を強制できるか

 

 

 

 

A 本人自らが提出しない限り、健康診断書の提出は強制できない。

 

安全配慮義務というものをご存じですか。判例は「労働者の生命及び身体等を危険から保護するよう配慮すべき義務」と定義し、これらを明文化したものが労働契約法第5条に定められています。

労働契約法第5条(労働者の安全への配慮) 使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。

これらを前提として考えると、様子がおかしいので健康診断書の提出を命ずるのは、会社の安全配慮義務の一環と言えます。もし、おかしい人をほっておいたら、いかに健康を保持するのは本人の義務とはいえ、会社として安全配慮義務違反を問われかねません。

問題はプライバシーの侵害かどうかです。健康状態はプライバシーという権利で保護されるべき個人情報であり、慎重に取扱わねばなりませんが、従業員は会社との間で雇用契約を締結しているわけですから、その契約内容の履行に関連した場合について会社が情報を把握するのはプライバシーの侵害にはならないと考えます。もちろん情報の管理は厳格におこなわなければなりません。

では、健康診断書の提出を強制できるでしょうか。診断書を出しなさい、という命令はできますが、本人がそれに従わなかったらなんともなりません。

 

診断書ではありませんが、書類の不提出については判例があります。

判例 福知山信用金庫事件 S53.10.27

始末書の提出強制は、個人の良心の自由に関わるため、始末書不提出自体を企業秩序に対する紊乱行為と見ることはできない。

始末書不提出をもって解雇するのは解雇権の濫用。

 

定期健康診断の受診は法律上の義務ですが、定期健康診断以外の健康診断を命令するためには、就業規則にその旨を記載しておく必要があります。

受診させるためには客観的な証拠も必要ですが、就業規則に定めておけば、診断書の提出拒否は業務命令違反として懲戒処分の対象となり得ます。診断書を提出しないという行為は、本人の健康管理に影響を与える可能性はありますが、直ちに業務に影響を及ぼしたり損害を与えたりということはあまりないと思われますので、量刑としては軽いものが適当でしょう。

 

 

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